Surrealism:1 運動の始まり(第8〜10パラグラフ)

これで第1章リードの訳文は一応終了です。

      • 以下、訳文

夢の分析のほかに、彼らは「あるものが同じフレームの中で結びつけられているとき、そこには非論理的で驚くべき効果を与えるような、ありえない要素が結合していることが見出せる」(※1)ことを強調する。ブルトン1924年の「シュルレアリスム宣言」において、詩人ピエール・ルヴェルディの1918年のエッセイ(「イメージ」)を引用しながら、この「意図せざるものの並置」について次のように語る。
「(イメージは)多かれ少なかれたがいにへだたった二つの現実の接近から生まれる。接近する二つの現実の関係が遠く、しかも適切であればあるほど、イメージはいっそう強まり―いっそう感動の力と詩的現実性を持つようになるだろう…」(※2)と。

シュルレアリストたちは、個人的・文化的・社会的そして政治的な側面において、人間の経験を革新すること、そして人々を誤った合理主義や抑圧的な慣習や構造から解放することを目指した。ブルトンシュルレアリスムの真の目的をして、「社会革命万歳!ただそれだけだ!」(※3)と述べる。
この目的達成のために、シュルレアリストたちは折にふれて共産主義者無政府主義者らと共闘した。

1924年、彼らは「シュルレアリスム宣言」(第一宣言)としてその思想を明らかにした。同年には「シュルレアリスム研究所」を設立、併せて「シュルレアリスム革命」誌を発行している。

      • 訳文終わり

(※1)英語版Wikiの記事では、出典をトマス・ピンチョン「スロー・ラーナー」としています。私は同書を読んだことがないので実際の訳文がどうなっているのか、ちょっとわかりかねます。ただ、ここでピンチョンを引用した意図が不明なので、当該箇所は審議かなと思っています。
(※2)アンドレ・ブルトン著・巌谷國士訳(1992)『シュルレアリスム宣言 溶ける魚』(岩波文庫
(※3)出典不明です。情報求ム…